湘南コロナ:神奈川県南西部で流行中の新型コロナ感染症(COVID-19)疑似症

  最新の疫学的グラフ・地図など 

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案内

 ホームページの容量削減のため、取り急ぎ場所を移しました。「最新」とありますが、「過去に少しずつ追加した(当時としては最新)」という意味です。

 

◇ 最新の疫学的グラフ・地図など

 ここに掲載した最新の分析結果等は、ある程度溜まれば「スマホ用簡略版」の改訂やホームページ各所の説明追加・修正に反映していきます。

 

◎ 2021.01.18

 1月前半の分析結果です。

 2021.01.01~01.15 10300名(神奈川県) (2021.01.18)

令和3年1月前半のグラフ 令和3年1月前半の地図

 冬季流行拡大期なので、どの地域でも陽性者増加の勢いが強くなっていますが、横浜が冷え始めているようです。なんと神奈川県平均を下回ってしまいました。

 これが何を意味するのかはまだ不明ですが、かなり大きな変化なので集団免疫を軸に考えないと説明できないかもしれません。その場合、要因として考えられるのは:

  1. 横浜市の感染しやすい領域(地域や職域)の人々は、もう大半が感染していて集団免疫が働き始めた。
  2. これまでは、主に「横浜の集団感染で培養されたウイルス → 横浜周辺の市町村」という流れの向きで感染が起こっていたが、横浜周辺の市町村の内部でウイルス培養(連鎖的集団感染)が始まったため、流行地としての横浜の地位が相対的に低下した。
  3. 湘南コロナが横浜でも大流行し始め、ウイルス干渉のためにPCR陽性となる欧州系肺炎コロナが減り始めた。

 横浜でも湘南コロナが大流行し始めたという可能性は小さいです。JR横浜駅構内のトイレで「大用トイレ」の前に長い列はできていないからです。湘南コロナ(下痢が多い)が平塚で大流行していたころは、JR平塚駅構内のトイレでは、朝の通勤時間帯に「大」をするための長い待ち列が見られました。

 引き続き、経過を追う予定です。(2021.01.18)

 

◎ 2021.01.23

 第3波の分析により、神奈川県南西部の集団免疫にも地域によってムラがあることがわかりました。

 2020年(令和2年)11月頃から東京等では新型コロナのPCRや抗原検査の陽性者数が急増し、「第3波」騒動となっていますが、私が勤務する平塚市の東海道線沿いのクリニックでは、第3波に相当する患者増加はまったく見られていません。(2021.01.23)

診療所での臨床診断による月毎の発症者数のグラフ

 しかし、平塚市では次のグラフのように、第3波に相当する陽性者急増が起こっています。

平塚市の月毎のPCR等検査陽性者数のグラフ

 このことから、クリニック周辺地域(平塚市の南側=海側)では湘南コロナが流行して集団免疫が強くなったので第3波が起こっていないが、そうでない地域では湘南コロナの流行が無く、集団免疫が強くなっていない可能性が考えられます。

 湘南コロナの大きな特徴は、腹部消化器症状を示す割合が多いことです。2020年、近所で嘔吐や下痢が流行っていた地域は湘南コロナが流行っていたと考えてよいでしょう。そういう流行が無かった地域は要注意です。(2021.01.23)

 

◎ 2021.01.29

 1月後半のデータを追加しました。新型コロナの流行の波は例年のインフルエンザと大差ないことがわかりました。

 1月27日までのデータを追加して分析します。まず、神奈川県の第3波のグラフ(毎日の陽性者数)と東京都のインフルエンザのグラフを比較してみましょう。(2021.01.29)

 昨年2020年令和2年4月のときと異なり、2021年1月7日の緊急事態宣言では、人の動きは大きく減少していません。通勤電車の混み具合等はまったく変化なしです。

 今のところは、例年のインフルエンザと同じように、新型コロナも冬の寒冷乾燥化で流行拡大し、その後は自然に収束に向かっているように見えます。第3波の最大要因は気候だということになります。あと数か月経過を追う必要があります。

神奈川県の第3波:毎日の陽性者数のグラフ

 

東京都のインフルエンザのグラフ

 東京都のデータ:東京都感染症情報センター

 

 次は、1月全体(2021.01.01-01.27)の累計陽性率のグラフ(保健管区毎)と地図(市町村毎)です。

神奈川県保健管区毎の1月の累計陽性率のグラフ

 

神奈川県市町村毎の1月の累計陽性率の地図

 

 次は、第3波の累計陽性率のグラフ(保健管区毎)と地図(市町村毎)です。

神奈川県保健管区毎の第3波の累計陽性率のグラフ

 

神奈川県市町村毎の第3波の累計陽性率の地図

 

 『新型コロナの流行状況』についての物理学的な本質について述べます。物理学は大嫌いという方は、この段落を無視してください →→→ 『新型コロナの流行状況』を見ていて、これは単に、『熱力学第二法則(エントロピー増大則)による情報の拡散を見ているだけではないのか』 と感じます。 横浜や川崎が突出していた時期もありますが、今は都市部周辺での流行拡大の勢いが増しており、要するに平均化が進んでいます。 やれ隔離だ、やれワクチンだ、と熱力学第二法則に逆らって『新型コロナ以前の生活』という散逸構造に戻すための努力をしているわけですが、それには途方もないエネルギーが将来にわたって必要な気がします(つまり現実的には実現できないということ)。 それよりも、次の世代を担う若者のほとんどはコロナ感染で重症化しないのだから、コロナ対策にコストをかけるのではなく、そのコストを若者にかけたほうが、文明社会の未来が開けるような気がします。ウイルスとどう付き合っていくか、百年先を見て国家の計を立てていく必要があるでしょう。(2021.01.29)

 

◎ 2021.02.06

 昨年4月と今年の1月に実施された2回の緊急事態宣言の効果を比較しました。2回目の緊急事態宣言は本当に必要だったのでしょうか。

 まず、神奈川県の今年2月初めまでの陽性者数の推移を示すグラフです。第1波、第2波、第3波を見て取ることができます。波の大きさはあまり気にする必要はありません。第1波のころはPCR検査が制限を受けており、軽症者は検査を受けることができませんでした。

神奈川県の陽性者数

 

 次に、緊急事態宣言の出た第1波と第3波を比較します。第1波のときの緊急事態宣言はかなり厳しい制約があり朝夕通勤電車の中はガラガラになりましたが、第3波のときの緊急事態宣言は内容がかなり緩く、夜の飲食店等が狙い撃ちされ、通勤電車の込み具合に大きな変化はありませんでした。

 目視で簡単に山の形を比較できるように、横軸の日数は95日間にそろえています。縦軸はグラフの高さが同じ程度になるようにしています。単純に傾きを見れば流行拡大の勢いや収束の速さを比較できます。

 以前にも触れましたし、他の研究者も多く指摘しているように、第3波の主因は気候であり、その変化の仕方は例年のインフルエンザ流行相当であると考えることが妥当です。夜の飲食店の自粛で減少に転じた訳ではありません。

神奈川県第1波のグラフ

 

神奈川県第3波のグラフ

 

 近年では毎年千七百万人がワクチン接種を受けている季節性インフルエンザの冬季流行状況(推計で年間約1千万人以上)と比較して、ワクチン接種をしていない新型コロナの冬季流行が勝手に収束に向かっていることを見ると、「う・・・・ん、(少なくとも今流行している型の新型コロナに対して)ワクチンは不要かな」と思ってしまいます。

 こういう分析は、誰でもできる初歩的なものであり、日本の中央政府や地方政府の担当部署は十分に知っているはずですが、何か大きな別のチカラがこの国を縛ろうと働いているのかもしれません。

  

 

◎ 2021.02.19

 神奈川県第3波を1週間ごと(月曜~日曜)に区切って市町村別に陽性率で色分けしました。今回は5段階色わけではなく、白 → 赤 → 黒 のグラデーションで色を付けました。1画面3秒間の動画にしています。

 

◎ 2021.03.28

 神奈川県第3波終了後(2021.02.15~2021.03.26)の市町村別陽性率を5段階色分け地図で示します。主たる流行地は、横浜・川崎から周囲へ移っています。神奈川県南西部は、まだ安定した集団免疫の状態にあることがわかります。

神奈川県第3波後のグラフ

 

神奈川県第3波後の地図

 

◎ 2021.04.25

 神奈川県第3波終了後(2021.03.16~2021.04.15)の市町村別陽性率を5段階色分け地図で示します。今回の着目点は、長期間に渡って最も安定した集団免疫状態にあった小田原市が赤色になったことです。また平塚市や茅ケ崎市が青色になっています。湘南コロナは西から東へゆっくりと拡がっていったこと、コロナの免疫が10か月程度と言われていることと関係する現象かもしれません。

 小田原が赤くなった原因を調べるためにグラフを作ると、4月9日に陽性判明(発表上は4月10日分として4月11日版に掲載されます)した人が多く、施設での小さな集団感染(いわゆるクラスター)であり、小田原市全体での陽性者増加ではありませんでした。

 集団免疫力の低下のために、このようなクラスターの発生しやすい状態になったのか、たまたまの出来事なのか、引き続き注視していく必要があります。小田原市で起こっていることは、やがて平塚市でも起こることだろうと予想されます。

神奈川県第3波後の地図

 

小田原市のグラフ
小田原市のクラスター

 

◎ 2021.06.27

 神奈川県第3波終了後の続き(2021.04.16~05.15、05.16~06.15)の市町村別陽性率を5段階色分け地図で示します。基本的には熱力学的に予想されている通りの変化、つまり平均化が起こっています。

 「湘南コロナの拡大」、「湘南コロナ感染で得た免疫の消退(10か月くらいで消退)」「ワクチン接種」などの要因が複雑に絡み合っているので単純な分析はもう不可能です。

神奈川県第3波後の地図

 

神奈川県第3波後の地図

 

 

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