◆ NK細胞
◆ NKT細胞
◆ 補体(Complement)
◆ 制御性T細胞、制御性B細胞
◆ 肥満細胞
自然免疫に属しています。
キラーT細胞と異なり、TCR+「MHC class I + ペプチド抗原」という方法では感染細胞を見つけません。
「MHC class I を提示していない細胞」や、「ウイルス等に感染した時に現れる特殊な分子を細胞表面に提示している細胞」を見つけると、キラーT細胞と同じような方法で細胞を殺します。
姿も似ていると言えば、似ていますね。
リンパ球の 10 %以上を占めているそうです。
病原体が侵入し、食細胞がせっせと食べている横でNK細胞は感染細胞を殺しているのです。
獲得免疫が動き始めれば抗原特異的なキラーT細胞による感染細胞殺しが始まりますが、獲得免疫が効果的に動き始めるまでには日数を要します(初感染なら 5 ~ 7 日間、再感染なら数日間)。
たくさんの抗体が表面に結合した細胞を見つけると、NK細胞は襲って殺します。これを 抗体依存性細胞障害(ADCC:Antibody-dependent cellular cytotoxixity)といいます。
コロナウイルスのようにエンベロープを持つウイルスに細胞が感染すると、細胞膜上にウイルスの糖タンパク(要するにスパイク)を発現します。そこに抗体が結合するとNK細胞が襲って抗体依存性細胞障害 ADCC をおこします。
mRNAワクチン接種後、ワクチンを取り込んだ細胞は、細胞膜上にスパイクを発現しますので、ADCCがおこります。
ややこしい名前ですが、TCR(T細胞受容体)を持つNK細胞という理解でよいでしょう。
自然免疫に属しています。
TCR+「MHC class I + ペプチド抗原」という方法で感染細胞を見つけることができます。
詳細不明ですが、キラーT細胞ほどの大活躍はしていないようです。
公園に居た殺し屋たち(キラーT細胞やNK細胞の仲間、どこから来て何をしているのか詳細は不明)
細菌(バクテリア)の敵は好中球(こうちゅうきゅう)と補体(ほたい)です。
好中球は食細胞であり、細菌が大好きです。補体は細菌のカラダに大穴を開けて殺します。
補体は約10数種類の化学物質です。C1、C2、C3・・・と番号が振られています。
免疫グロブリンの IgM や IgG(IgG1~IgG3) は、そのFc領域に補体との結合部位があります。
補体 C1 は、細菌の細胞膜に結合した IgM や IgG のFc領域に結合すると活性化します。
おそらく抗体は、エピトープとガッチリ結合すると、Fc領域の構造に変化がおこり、補体が結合しやすくなるのだと思われます(推測)。
補体 C1 が活性化すると、決まった順番に別種の補体が次々と活性化していきます。
Cb5 以降の補体は複合体を形成し、細菌の細胞膜に大穴を開けます。
細菌より小さなウイルスのエンベロープに穴を開けたり、細菌より大きな細胞に穴を開けたりもするようです。
この抗体から始まる補体活性化経路は、古典的経路と呼ばれており、他にも補体の活性化する経路があるようです。
参考:補体の働きと作用
免疫細胞が起こす「炎症」は、暴走すれば生命をも簡単に奪ってしまいます。「○○炎」という病名で人が亡くなることは少なくありません。
当然のことですが、そうした暴走を防ぐ仕組みを免疫系は持っています。
ここでは「制御性T細胞」、「制御性B細胞」という名前だけ「聞いたことがある」程度になっておけば十分でしょう。
制御性は regulatory の翻訳なので、「制御性T細胞」のことを「Treg、Tレグ」と表記することがあります。
もちろん、「暴走を防ぐ仕組み」が暴走すると、強い 免疫抑制 がおこることになります。
免疫の世界も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
本当かどうかはまだわかりませんが、mRNAワクチン(初期型)接種者はコロナに感染しても炎症が比較的穏やかな場合が多いのですが、その原因のひとつとして「暴走を防ぐ仕組み」の強化(・・・= 免疫が弱っているということ)が疑われています。
しっかりとワクチン接種してたのに、初めてのコロナ感染では結構熱が出たよという人は、mRNAワクチン接種による免疫抑制があまりなかったということで、むしろ喜ばしいことかもしれません。