自然な感染後のワクチン接種 する? しない? するならいつする?

 接種時期選定の参考 

 補足説明8の関連資料 

 

 案 内

 このページは「接種時期選定の参考」の「補足説明8:2度目の感染」の関連資料を収めています。

 

 ◆ Persistent immune imprinting occurs after vaccination with the COVID-19 XBB.1.5 mRNA booster in humans (March 14, 2024):▶ ▶ ▶

 

 

 題:ヒトに対する「XBB.1.5」用ワクチンのブースター接種時には抗原原罪(免疫刷り込み)が起こる

 ハイライト

 

 Summary まとめ

 Immune imprinting describes how the first exposure to a virus shapes immunological outcomes of subsequent exposures to antigenically related strains.

 免疫刷り込み(immune imprinting)とは、あるウイルスへの最初の曝露が、抗原的に関連した株へのその後の曝露の免疫学的結果をどのように形成するかを説明するものである。
 

 Severe acute respiratory syndrome coronavirus-2 (SARS-CoV-2) Omicron breakthrough infections and bivalent COVID-19 vaccination primarily recall cross-reactive memory B cells induced by prior Wuhan-Hu-1 spike mRNA vaccination rather than priming Omicron-specific naive B cells.

 [DeepL利用の翻訳] 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)オミクロン・ブレイクスルー感染と2価COVID-19ワクチン接種は、オミクロン特異的なナイーブB細胞をプライミングするのではなく、主に事前のWuhan-Hu-1スパイクmRNAワクチン接種によって誘導された交差反応性メモリーB細胞を想起させる。

 これ(↑)を難しいと感じる方を想定し、少し長い予備説明を行ってから、解説的意訳を行います。

 

 

 ・・・工事中・・・

 

 

 [予備説明→]:

 コロナウイルスのスパイク(タンパク)は約○○個のアミノ酸が鎖のように連なって出来ています。

 スパイクの一部、5~6個程度の長さのアミノ酸のうち、自己(ヒト)の身体にはないアミノ酸配列は「免疫的な外敵」であると認識されます(=抗原性を持つ物質)。

 抗原性のあるアミノ酸配列には抗体が結合します。

 抗体が結合した抗原は免疫系の攻撃を受けて無力化されたり、排除されたりします。

 このような最小単位の抗原のひとつひとつをエピトープと呼びます。

 スパイクの多くの部分は抗原性を持っていませんが、スパイクの長いアミノ酸配列の中にいろいろなエピトープが散在しています。

 エピトープと抗体は、「緩いカギと鍵穴」のような関係があります。

 緩い関係なので、わずかに形の異なる鍵穴(またはカギ)も有効です(交差反応といいます)。

 緩い男女関係のようなものです。ステディーな相手以外との結合が交差反応です。

 エピトープを構成するアミノ酸が大きく変化したり、エピトープの立体的な構造が大きく変化したりすると、変化前に結合できていた抗体がエピトープ変化後は結合できなくなります。

 男女関係も同じですね。大きく変身・変心すると二人の関係はもう取り返しがつかなくなります。くっつけなくなります。

 なお、抗体を産生するのは「B細胞」と呼ばれるリンパ球です。

 1個のB細胞は1種類の抗体のみを作ります。

 もしエピトープが7種類あれば、それに対応する抗体は少なくとも7種類であり、抗体を作るB細胞も7種類以上必要になります。

 抗原原罪(免疫刷り込み)を男女関係で例えてみましょう。

 「エピトープ(抗原):抗体」=「カギ:鍵穴」で仲の良さを表記すると、「太郎:松子」、「次郎:竹子」、「四郎:竹子」、「三郎:梅子」、「ジョン:マリア」が仲良しの組み合わせです。

 松子、竹子、梅子、マリアと意地悪な村長の5人が住む村に太郎、次郎、三郎の3人がやってきて住み始めました[太郎、次郎、三郎の来村が1度目の感染またはワクチン接種に相当]。

 「太郎:松子」は長いお付き合いの後に結婚して松子そっくりの女の子をたくさん作りました[一度目の感染では抗体産生開始までに時間がかかる]。

 「次郎:竹子」も長いお付き合いの後に結婚して竹子そっくりの女の子をたくさん作りました。

 「三郎:梅子」も長いお付き合いの後に結婚して梅子そっくりの女の子をたくさん作りました。

 相手のいない「マリア」はずっと一人暮らしをしていました。

 生まれた女の子の多くは村を出て国を守る兵士になりました。

 太郎、次郎、三郎の3人は夫婦生活に疲れて村を出ました。

 リフレッシュして回復した太郎は、四郎、ジョンの3人で村に戻りました[変異種感染に相当]。

 太郎はすぐに松子と一緒になりました。もともと夫婦でした[2度目の感染では素早く抗体産生が始まる]。

 四郎は次郎とよく似ていました。四郎もすぐに竹子と仲良くなりました。

 梅子は三郎のことが忘れられませんでした。三郎とジョンは違いすぎて心が反応できなかったのです。

 ジョンとマリアはお互いを気に行ったのでお付き合いをしたいと考え始めました。

 こうして

 「太郎:松子」はすぐに結婚して松子そっくりの女の子をたくさん作り始めました。

 「四郎:竹子」もすぐに結婚して竹子そっくりの女の子をたくさん作り始めました(交差反応)。

 三郎が居ないので、梅子は寂しくひとり暮らしを続けました。

 「ジョン:マリア」は仲が良いのに、意地悪な村長は「この村では過去にジョンとマリアの二人が子作りに励んだ前例はない」と反対したため結婚できず、マリアそっくりの女の子を作ることはできませんでした(抗原原罪=免疫刷り込み=前例主義)。

 もし抗原原罪がおこらなければ、「ジョン:マリア」は結婚してマリアそっくりの女の子をたくさん作れたはずです。その女の子たちは立派な兵士となり国の守りは強化されたはずです。抗原原罪(免疫刷り込み)は国の守りにとって大きな損失になります。

 [予備説明終わり]

 

 [解説的翻訳]:

 武漢株のコロナウイルス(Wuhan-Hu-1)に感染すると、武漢株ウイルスの全エピトープに対応するいろいろな抗体が産生され、またそれらの抗体に対応した記憶B細胞(メモリーB細胞)がたくさん作られます。

 武漢ウイルスが抑えられて抗原刺激が無くなると抗体産生B細胞の増殖・補充がなくなり、抗体の産生量は減りますが、記憶B細胞は長期間残って次の感染に備えます。

 そして「同じウイルス」に再度感染すると、記憶B細胞が増殖してたくさんの抗体産生B細胞を作り、初回感染時よりも素早く大量に「初回感染時と同じ抗体」を産生してウイルス増殖を強力に抑え込みます。

 同じようなことがワクチン接種でも起こります。ワクチン接種とは感染の練習ですから、同じようなことが起こってくれないと免疫ができないので困ります。

 コロナ対策として最初に用意されたWuhan-Hu-1スパイクmRNAワクチンの接種によって、Wuhan-Hu-1スパイクの全エピトープに対応するいろいろな抗体が産生され、またそれらの抗体に対応した記憶B細胞がたくさん作られます。

 時間が経って抗原刺激が無くなると抗体産生は減りますが、Wuhan-Hu-1スパイクの全エピトープに対応したいろいろな記憶B細胞は長期間残って次の抗原出現(感染や接種)に備えます。

 この準備が整った状態のときに(=ワクチン接種者)、実際にオミクロンに感染したり、あるいは「Wuhan-Hu-1スパイクとオミクロンスパイクを含む2価mRNAワクチン」の接種を受けたりすると、免疫系は(最初の感染や接種のときと同じようにして)オミクロン(スパイク)の全エピトープに対応するいろいろな抗体を等しく産生することはありません。

 なんと免疫系は、オミクロン感染前あるいは2価ワクチン接種前に接種したWuhan-Hu-1スパイクの全エピトープに対応するいろいろな抗体のうち、(感染した、あるいは接種した)オミクロン(スパイク)と共通のエピトープ、およびわずかに異なるエピトープに対する抗体(交差反応性抗体)のみを選んで産生します。

 これを抗原原罪(免疫刷り込み)といいます。

 

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