このページは「接種時期選定の参考」ページの補足説明を収めています。
ここでは、自然免疫と獲得免疫 の関係について「パッと見てわかる説明」を行います。
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免疫系は大きく 自然免疫 と 獲得免疫 とにわけることができます。
自然免疫の主な仕事は、何でも手あたり次第に食べることです。
それだけです。
好中球、マクロファージ(大食細胞)、樹状細胞などは自然免疫系の「食べる細胞」です。
マクロファージの働き ↓↓↓
#Macrófago!!!
— Patología Crítica (@PatologCritica) June 16, 2022
El Trabajo bien hecho!!!
Espectacular!!!#Inmunología #Infección pic.twitter.com/AaWhYtNL49
マクロファージが外敵を次々に飲み込んでいる映像。
— 生物ヤバイch (@seibutsuyabaich) October 1, 2022
マクロファージは、体内に侵入した細菌を捕食し、消化殺菌することで身体を守っています。
外敵をやっつける働きに加え、他の細胞へ外敵が侵入した情報を伝える働きもあります。
Credit:Neil Paterson, Tim Lämmermann pic.twitter.com/MEdylmFTYL
自然免疫はあらゆる動物が持つ基本的な免疫です。獲得免疫は主に脊椎動物で発達した免疫です。獲得免疫は自然免疫という基礎の上に構築されます。
自然免疫の戦い方は原始的ですが、獲得免疫は高級で複雑な戦い方をします。
まず自然免疫系が獲得免疫系に戦っている敵のことを知らせます(抗原提示)
敵について情報提供を受けるのは獲得免疫系のヘルパーT細胞です。
獲得免疫系の特徴は「抗原特異的(提示された抗原に対してのみ強く作用する)」ということです。
ヘルパーT細胞は、獲得免疫系の戦いを指揮します。
獲得免疫系の戦い方は代表的なものが2種類あります。
「細胞性免疫」と「抗体を使う液性免疫」です。
細胞性免疫の働き手はキラーT細胞です。ウイルスなどに感染した細胞を殺します(自殺させます)。死んだ感染細胞は自然免疫系が食べて処理します。
液性免疫は抗体を産生します。
抗体にガチっとつかまれたウイルス等は、自然免疫系が食べて処理します。
獲得免疫は「火に油を注ぐ」という重要な働きも持っています。
抗原刺激を受けて活性化し増殖したヘルパーT細胞は、外敵と自然免疫(食細胞)が戦っている所(炎症の場)にやってきて、食細胞にもっともっと戦うように発破をかけます(獲得免疫は自然免疫をさらに活性化します)。
獲得免疫による自然免疫の活性化は「抗原特異的な刺激」が主となるので、ヘルパーT細胞の刺激を受けて活性化した自然免疫(食細胞)による抗原特異的な食作用は、「細胞性免疫」に含めます。
全体図を示します(↓)。
以上です。
大事なこと:↓
戦いを始め、終わらせるのは自然免疫です。
獲得免疫はちょっと理屈っぽいサポーターです。いろいろとテクニックを駆使したがるのですが、現場で実際に血を流しているのは自然免疫です。
獲得免疫を強化しても、同時に自然免疫を弱めるようなことをすると、トータルでは免疫力が低下することになります。
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